用途によって生地から雨具を選ぶ

雨具は頻繁に使うものではないですが、それがゆえ、いざ使うというときは機能性に優れた物を用意しておきたいものです。
多くの雨具にはポリエステルやナイロン素材の生地が使われており、軽くて綿素材より風よけや防塵にすぐれていますが、生地自体に高い防水性があるというのではありません。
表面に撥水加工を施すことによって雨水の進入を防いでいます。
フッ素樹脂の撥水加工は素材の表面に微細な凹凸をつけて、雨粒をはじきます。
みっしりと産毛が生えているようなイメージです。
ですから生地の表面がこすれて凹凸が乱れてしまうと、撥水効果がなくなって水分が浸透していきます。
経年劣化は避けられないのですが、アイロンやドライヤーなどで熱を加えると多少はその凹凸が復活します。
シリコン樹脂加工ですと表面に膜を作って水をはじくので、繊細なフッ素樹脂より長持ちします。
表面が膜で覆われて通気性がなくなりますから、密着性の低いポンチョや傘の加工に向いているといえるでしょう。
コンビニなどで売られている安価なビニール傘ですが、ビニール素材は水を通さないため非常に防水性が高く、まさに急場しのぎとして最適です。
水を通さないということは、通気性が悪いということでもあり、雨具としてレインコートを選ぶ際には生地の透湿性にも着目したいです。
ポリ塩化ビニルやラバーコーティングされた生地は防水性はありますが、登山など長時間の運動を伴う時や気温が高い梅雨の時期は汗をかくので蒸れやすくなります。
ポリウレタンは透湿性があり、軽くて着心地もよく、ものによっては多少値が張りますが、レインコートには適した素材といえます。
最後に確認しておきたいのは縫製です。
防水性があっても針で穴を開けて縫うわけですから、そこから雨水が入ってきてしまうことは避けられません。
漁業市場などで使われているようなカッパは、素材を溶かしてパーツをはぎ合わせるウェルダー加工という手法で溶接されているので、完全防水といってもいいですが、肩部分などの継ぎ目が伸縮性もなく着心地が悪いです。
しかしレインブーツならウェルダー加工の恩恵が得られるでしょう。
水はけの悪い道路など、長時間水たまりを歩かねばならないようなときも、縫い目のない加工なら安心です。
普段使いの着衣の雨具なら縫い目をシームテープ加工してあるものがベストです。
裏側に縫い目をふさぐように貼ってあるので針穴から雨水が伝ってくることもありません。
濡れたくない雨の日も、素材をよく知って用途や気候によって雨具を取りそろえておけば、慌てずに出かけることができますね。